ヨーロッパ炭酸水事情

 
 

 ドイツは、水道水の7割を地下水に依存する国です。イギリスやフランスに比して、とくに水道水がまずいことはありません。しかし、一人あたりのミネラルウォーターの消費量がヨーロッパ最大の年間172ℓを誇り、そのうち炭酸ガス入りが79%で炭酸水好きの国民です。

 ドイツのスーパーの水売り場は、7〜8割が炭酸水です。通常レストランで水Wasserが飲みたいためにミネラルウォーターを注文すると、ノンガスと言わない限り多くの場合、炭酸入りのミネラルウォーターがでます。ちなみに、ビールの方がミネラルウォーターよりも安かったりします。

 炭酸水の占める割合もさることながら、環境先進国ドイツは省資源の観点から、日本のリサイクル(実際はサイクルしないワンウェー)よりも、リユース可能なガラス・ボトルや厚めのペット・ボトルの占める割合が半分以上です。

 ドイツは回収を確実にするために、容器のサイズと材質によりますが、20〜45円程度と高めのデポジットを購入時に飲料に上乗せして支払い、容器の返還時に返金してもらえるシステムです。レシートにはデポジット分が記載されています。

 割合は少ないのですが、Pfandfreiと表示があるのは、使い捨てで、ゴミ箱入りです。空港など空容器の返還ができないところでは、このタイプが多いので、「日本とおなじじゃん」と思われがちですが、ドイツ国内ではデポジットを取るのが大多数です。

 ドイツのペット・ボトルには3種類のタイプが存在します。Pfandfreiの使い捨て、デポジット込みのワンウェー・ボトル、デポジット込みのリユース・ボトルです。

 デポジット込みのリユース・ボトルは厚めのペット・ボトルで、炭酸入りでも通常の底部が3つに分かれた耐圧ペット・ボトルとは形も異なります。外側にはボトルとボトルが接する部分の円周に傷が入り、磨りガラス状に曇っています。平均20〜30回も回収・洗浄・充填してリユースされるので極めて経済的です。しかし、悪意のある人が毒物を入れて回収に回すと、洗浄で除かれるか、少し疑問もあります。

 実際の回収は、自動回収マシンもしくは店の人によってなされます。たいがいのスーパーの入り口には、ボトル回収マシンが設置され、デポジットを支払ったボトルを次々と丸い穴から放り込み、ボトルはローラーでぐるぐる回されながら、バーコードを読み取ります。1本に付き3〜4秒。何十本も持ってきた人は結構な時間がかかります。マシンによっては、下にケース毎入れるのもあるみたいです。

 ボトル投入後、マシンはレシートを印刷し、レジで返金もしくは値引きしてくれるシステムです。

 日本のように嵩を減らすために潰すと、バーコードが読めなくなり、マシンから弾かれるとのことです。溜め込むとボトル返品の際、運ぶのに大変そうです。

 日本でもサッポロが取り扱う超硬水のゲロルシュタイナーGerolschteinerは、ガスなし、中濃度のガス入り、高濃度ガス入りの3種類が並べて置かれ、5,000ppmを超える日本のゲロルシュタイナーは高濃度ガス入りと思われます。

 

イギリスのミネラルウォーター事情 2013

ヨーロッパは石灰岩の地層が広く分布するため、水道水がカルシウムに富む硬水です。衛生的にそのまま飲めないわけではありませんが、昔からミネラルウォーターが一般的です。しかも、アルプス造山運動に伴う火山活動の名残が、ヨーロッパ大陸各地で炭酸水・炭酸泉という形で今もあるため、中欧から東欧にかけては、多くは炭酸水なのです。ヨーロッパに事情を見ましょう。

ドイツのミネラルウォーター事情 2013

 英国の正式名はグレートブリテン及び北アイルランド連合王国 United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland であるが、長ったらしいので、通常 United Kingdomもっと短くUKと略します。最近では、政権強化を狙ったキャメロン首相が、2016年6月にEU離脱というパンドラの箱を開けた国です。

 フランスから見れば、White cliff すなわち石灰岩の白亜の絶壁で知られるイングランドは北方の湖水地方を含むカンブリア地方を除いて、水道水はカルシウムの多い硬水です。そのため、人々は水道水をそのまま飲まずに、ティーやコーヒーとして飲みます。湖水地方やスコットランドは水道水をそのまま飲んでも美味しいと感じます。

 各国のミネラルウォーター市場はその国のスーパーに行けば、大方の動向が見て取れます。イギリスのスーパー大手のテスコ(80年代は二流スーパーでしたがその後サービスの向上で今やトップ)やセインズベリーで見る限り、他のヨーロッパ諸国に比べて、水売りコーナーは小さく、しかも炭酸水の占める割合はざっと見て3割程度でした。

 ノンガスタイプの銘柄はエビアンとボルヴィックなど日本とさほど変わりがなく、ガス入りはペリエ、サンペレグリノ、ボルヴィック(ガス入り)などです。

テスコの水売り場(1)

テスコの水売り場(2)

セインズベリーの水売り場

イギリス南部海岸のWhite cliff 白亜の絶壁

リユース・ペットボトル(左)

と日本のペット・ボトル(右)

ドイツの水売り場

ワンウェー・ボトル

ボトル回収マシン

 国名の由来が「東の国」という名のオーストリアの水道水の原水は、アルプスの豊富な湧き水で、蛇口からそのまま飲める程ですが、ガス入りミネラルウォーターの消費量が一人年間91ℓもあり、そのうち83%がガス入りです。これは国別の割合で最高です。ガス入りが大好きな国民です。

 同じメーカーのミネラルウォーターにもガスなし、弱炭酸、強炭酸の3種類があり、購入時に注意が必要です。

オーストリアのミネラルウォーター事情 2015

チェコのミネラルウォーター事情 2015

 チェコの水道水は飲めないことはない、と言われているが物価が日本の2/3程度だし、しかもミネラルウォーターは日本よりずっと安いので、スーパーで買うことになる。レストランでは、ビールより高く、ホテルでは10倍もすることがあるので要注意。

 この国は、キャップの色別に水色(ガスなし)、緑(弱炭酸)、ピンク(強炭酸)になっているの一目で分かる。ただし、スロバキアを挟んだ近国ハンガリーでは、この色別が真逆になっているのに要注意。

オーストリアの水売り場

チェコの水売り場

ハンガリーのミネラルウォーター事情 2015

 ハンガリーの水道水は硬度が高く、旅行者は安く買えるミネラルウォーターを飲むことを推奨されている。

 この国は、キャップの色別にピンク(ガスなし)、緑(弱炭酸)、水色(強炭酸)になっているのに要注意。旧東欧の「社会主義」国であり、同じころEUのメンバーになったのだからチェコと同じ色であっても不思議でないのに、、、?

ハンガリーの水売り場

ポーランドのミネラルウォーター事情 2015

 ポーランドの水道水は、地域差ものあるが、一般に原水と配管システムに問題があり、飲むことは推奨されていない。

 ミネラルウォーターはスーパー等で容易に安く手に入るので、特に不便さは感じない。

ポーランドの水売り場

ヨーロッパの炭酸水事情のまとめ

 ミネラルウォーターに占める炭酸ガス入りの割合を国別で見ると、炭酸水源に乏しいスペインの3%から、オーストリアの83%までかなりのばらつきがある。

 一人あたりのミネラルウォーター年間消費量は、イタリア176.5ℓ、ドイツ171.8ℓの2カ国を筆頭に、最低がオランダの22.5ℓ程度とかなりの開きがある。


 EU全体の販売量ベースで見たミネラルウォーター市場では、炭酸ガス入りの占める割合は約4割である。

 なぜ、このように多いかは、炭酸水源が多いこと、飲み心地が良いこと、ミネラル補給として鉱水でも飲みやすいこと、疲れが取れること、炭酸ガスの作用で副交感神経が刺激され、その結果腸管運動が促進され食欲が出ること(500ミリℓ以上だと満腹感が出て逆に食欲が抑制される)、脂っこい料理に合うこと、通じが良くなること、腐りにくいこと、癖になることなどが挙げられる。